Wranglerに追加された KV 自動生成機能を試してみた

Cloudflareの新機能により、wrangler.jsonc定義だけでKV/R2/D1が自動プロビジョニングされるようになりました。開発者はストレージ設定の手間なく、本質的な課題解決に集中できます。

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目次

    Cloudflare の DevRel @yusukebe さんが面白そうな新機能をシェアされていました。

    ブログを読む限り、「KV / R2 / D1 は、wrangler.jsoncで定義されていれば自動的にCloudflare側にプロビジョンされる」ということです。デプロイ前にwranglerコマンドやダッシュボード操作でセットアップする必要がなくなったということですね。

    試してみた

    ちょうど KV を使って試したいものがあったので、やってみました。

    • “wrangler”: “^4.4.0”

    wrangler.jsoncにKVの定義を追加します。

       "kv_namespaces": [
            {
                "binding": "BACKLOG_TOKENS_KV"
            }
        ],

    この状態で、wrangler deployを実行しましょう。これまでは「KVがないよ」というエラーが出ていました。

     npm run deploy                      
    
    > deploy
    > wrangler deploy --minify
    
    
     ⛅️ wrangler 4.45.2 (update available 4.45.3)
    ─────────────────────────────────────────────
    Total Upload: 421.58 KiB / gzip: 108.37 KiB
    
    Experimental: The following bindings need to be provisioned:
    Binding                       Resource          
    env.BACKLOG_TOKENS_KV         KV Namespace      
    
    
    Provisioning BACKLOG_TOKENS_KV (KV Namespace)...
    🌀 Creating new KV Namespace "hono-backlog-mcp-backlog-tokens-kv"...
    ✨ BACKLOG_TOKENS_KV provisioned 🎉
    
    Your Worker was deployed with provisioned resources. We've written the IDs of these resources to your config file, which you can choose to save or discard. Either way future deploys will continue to work.
    🎉 All resources provisioned, continuing with deployment...
    
    Worker Startup Time: 27 ms
    Your Worker has access to the following bindings:
    Binding                                    Resource          
    env.BACKLOG_TOKENS_KV (12345xxxx6789)      KV Namespace   

    色々メッセージが出ていますが、要はこんなことを言ってます。

    • 実験的(Experimental)な機能を使うよ
    • BACKLOG_TOKENS_KVってBindingが設定されてるKVが見つからないね
    • hono-backlog-mcp-backlog-tokens-kvってKV作っておくね
    • 作成したよ、idはこれね

    wrangler.jsoncを見ると、プロビジョンされたKV の id がついていました。

       "kv_namespaces": [
            {
                "binding": "BACKLOG_TOKENS_KV",
                "id": "12345xxxx6789"
            }
        ],

    DB・ストレージ層を意識せず、アプリが作れる

    これのすごいところは、開発者が意識すべき範囲を減らしたことです。AWS は「Undifferentiated Heavy Lifting(他との差別化につながらない重労働)の排除」を技術選定におけるポイントの1つとして提唱しています。プロビジョン作業自体は重労働とは言いにくいかもしれませんが、「ダッシュボードの操作や wrangler コマンドの使い方を調べてからセットアップする」作業がなくなることは、開発者のコンテキストスイッチングにかかるコストを削減できるといえるでしょう。「ストレージやDBが欲しい」と考えた時に発生する技術選択や設計について調査するコストについても「Cloudflare MCP」のドキュメントサーバーを活用することで調査コストを削減できます。

    本当に作りたいもの、解決したい課題に向き合う時間を増やすためにも、 Cloudflare や AWS などが提供する効率化ツールやサービスを活用していきましょう。

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